こんにちは、運営者のヒヨコマメです。
生まれつき弱視、現在は全盲の視覚障害当事者です。
本ページでは「もしもしそこの白杖の方」の活動についてご紹介します。
初代アカウント(@ghiyokobeans)について
2021年7月1日からTwitterアカウント「もしもしそこの白杖の方」(@ghiyokobeans)の運営を始めました。
「見えない見えにくいあなたが道でこんなふうに声をかけられたらどうお返事する?」というコンセプトのお題を毎朝ツイート、みてくださった方から「自分ならこうする」「こう答えたいけどなかなかできない」といった回答をリプライや引用ツイートでいただいていました。
お題が100問を超えた同年10月には回答の傾向から私達視覚障害者が突然の声掛けに慌てず自分の言いたいことを伝える力=とっさ力をつける練習ができる場所があってもいいのでは?と思い立ち、Twitterのスペース機能を使って「とっさ力トレーニング」を毎週日曜日朝10:30に始めました。
ところがお題も150問を目前にした翌2022年1月30日、突然アカウントが凍結されてしまったのです。
原因ははっきりとは判らないのですが、@ghiyokobeansのアカウントは2022年10月現在未だ凍結中です。
2代目アカウント(@moshimoshi_2nd)と当ブログの開設
とは言えいつまでも泣き寝入りしてはいられません。2代目アカウント(@moshimoshi_2nd)を作成し150問目からはこちらで初代アカウント(@ghiyokobeans)同様のツイートを再開しました。
しかしもしもまた凍結されるようなことがあったら?そして初代アカウントに蓄積された149問のお題と珠玉の回答たちは?
そこでせっかくなのでブログにまとめてしまうことにしました。
幸い、Twitterアプリでログインすれば凍結された初代アカウントでの全てのお題と引用ツイート、一部を除くリプライを救出することができるようです。
引用ツイートやリプライはご本人から掲載許可をいただく関係ですぐには掲載できない&すべてを掲載することはできませんが、少しずつ追記していきます。
また、Twitterのシステム上以前から過去のお題の閲覧がしづらいという課題があり、ブログにすることでそちらも少し解消されるのではないかと思っています。
そしてTwitterを利用していない方にもご覧いただけるようになったらいいな。
お断り
Twitterアカウント(@ghiyokobeans、@moshimoshi_2nd)および当ブログに掲載されているお題や回答は一個人の経験や価値観に基づくものであり、「視覚障害者みんながこうすべき」「みんながこう考えている」という主張をするものではありません。
見えない見えにくい仲間たちの世間話に耳を貸すつもりで気楽に読んでもらえたら嬉しいです。
開設当初のコンセプト
以下、初代アカウント作成当時にNotoに掲載した「もしもしそこの白杖の方」のコンセプトです。
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昨今、視覚障害者関連団体や地方自治体のHPなどで一般の方向けに「視覚障害者の誘導の仕方」や「視覚障害者への声かけの仕方」が紹介されるケースが増えています。結果、都内で生活する私の肌感覚では、実際に道を歩いたり公共交通機関を利用したりしている時に「お手伝いしましょうか」など声をかけていただくことが増えたなあと実感しているところです。
しかしながら、外を歩いている時の私たちはたぶん一般の方が思っている以上に全身の神経をフルに使っています。障害物を避けたり、曲がり角を間違えないように音や匂いや信号の数を数えるのに集中していたり、雨風の強い日は特に普段あてにしている感覚や目印が使えなくて静かなるパニックを起こしていることも。また、見えてさえいれば簡単に辿り着ける場所になかなか辿り着けないもどかしさ、悔しさ、恐怖にとらわれている場合もあります。
そこへ突然声をかけられることで、びっくりしてうまく言葉が返せなかったり、時には逆上してはね付けてしまうことが、残念ながらあるのです。
しかし、道で知らない人に声をかける機会なんてなかなかありません。声をかけてくれたその人は、白い杖が目に入り、勇気を振り絞って行動に移してくれたところかもしれないのです。もしその勇気を私たちが上手に受け取ることができたなら、私たちが張り詰めている神経を少しゆるめて歩くことができるだけでなく、声をかけてくれた相手も「勇気を出してよかった」「また同じような場面を見かけたら声をかけてみよう」と思ってくれるかもしれません。
そして一方で、時にはご厚意をきちんとお断りしなければならない場面もあります。白杖を掴んで引っ張ろうとしたり、背中を押して誘導しようとする方には、その行為が大変危険で怖いことを伝えなければいけません。
でも突然遭遇した場面でどんな伝え方をすればいいかなんてすぐには考えられないよ。
みんなどうしてるの?
そんな声が聞こえてきそうです。私には聞こえております。
視覚障害者への声掛けが広がってきている今、私たち自身もまた「声をかけられたらどうするか」を考える必要があるのではないかと思うのです。
そこで冒頭の事例集です。
事例集、にする予定でした。
事例集もないよりはましかも知れません。でもどうせなら実践型にした方が、身につくし何より自分の言葉でまとめることができるのではないでしょうか。
だからTwitterアカウントを作ってみました。
私から、いろんなシチュエーションで声をかけられる場面をお題としてツイートします(不定期)。
そこへあなたならどう答えるか、返信してみてほしいのです。
不安な方は簡単なニックネームを添えてDMで送っていただいても結構です。ヒヨコマメが代理返信しておきます。
あくまで架空の場面ですが、一回返事を考えておくのとおかないのとでは、実際にそれに近い状況に遭遇した時にとれる行動が違ってくるのではないかなと思います。
そしてあなたの回答を誰かが読んだり、他の人の回答を読むことで、よりよい表現や言い回しが見つかったらいいな、とも思っています。
余裕があれば、というかネタが尽きてきたら、こちらからお願いするシチュエーションとかも入れていきたいですね。わくわく。
あわよくば「声をかける側」の方からのご感想もいただければうれしいなぁ、と思ったりして。
ちなみに私はとってもチキンなので、荒れて手に負えなくなったら店じまいする予定です。だからみんな優しい言葉でお願いします♪
なお過疎る分にはひっそり続けたいなと思ってます。
行きたいところへ行くだけで人の助けを借りなければいけないと言うのは、なんだか申し訳なくなったりときには損をしているような気持ちになることもあるかもしれません。
しかし別の見方をすれば、私たちは一生の中で他の人より断然多くの人と接するチャンスを与えられているともいえます。
世の中には1人分の人生では出会い切れないほどたくさんの人がいます。より多くの人と言葉を交わすことができる私たちは、いろんな考え方や言葉の使い方をする人と関わる中で、誰よりも心の視野を広げられる可能性を持っています。
あなたの日常に多くの良き出会いと気づきがあることを願って。
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